草のベッドに横たわり
甘い土の匂いを胸に
草の葉に無数の光りを
見つめていた、ひまわりの丘
今朝は、どうしてこんなに眠いの?
俺、なんで原っぱに寝てんだっけ?
さっさと起きて 仕事に行かなきゃだ
さあ、飛び起きるぞ、KENZI!
白猫が、見事なアーチを描いて
草のベッドから 跳ね上がった!
すぐに、驚きと恐怖の声が、
大地に 響き渡った
“ギャオ~!何だ?
俺はニンゲンだ!
名前も ある!
KENZI …
そう、KENZIという名のニンゲン
何だ? このフサフサの
ネコのような腕、足、胸 …
ああ、心臓が、バクバクして、爆発寸前!”
白猫は、野ネズミを狩り
転がし、いたぶるが如くに
狂ったように、鳴き叫びながら
いたずらに跳ね回っている
“夢だ! 夢だ! 夢だ!
そうだ、夢の中に決まってる
いつものように
鏡を見れば、きっと… ”
まるで白馬が駆けるような
美しいキャンターで
白猫は、一気に丘を
駆け下りていく、鏡を探して
“大きな木の側に
ニンゲンのクルマ?
俺も、クルマに乗れるんだよ
あれ? サイドミラー、高いとこだな”
白猫は、ミラーに姿を映そうと
大木の枝に 飛び移った
そうして、その空色の瞳が、
やがて雨みたいに 濡れ出したとき
猫は、地に落ちた…
*
丘からの風が、
甘い匂いを含ませ土をはこぶ
大きな木の下で
俺は、ようやく目が覚めた
その柔らかな土の中に
ひまわりの種を見つけて
俺、思い出したんだよ
きみを抱きしめて
あの丘で、泣いていたこと
こんな、へんてこな夢と、
俺たちの現実の… 意味も
大切なことは、一度しか言わない
書くのも、一回だけ!
きみの夢は消えない
しなやかに生きるきみは
太陽にも負けない
他の誰でもなく
他の誰も持たない、きみの輝きを
ぼくは、知った
知っている
どんなときも
きみは、きみであれ
ひまわりのきみ
きみに、幸あれ

コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。