冷たい匂いが鼻先をかすめる
何かを思い出したいが
その呼び声は遠い
深夜のチャイが喉を冷やしていく
寝待月が空に滲んでいた
そうだ
由比ヶ浜の匂いだ
寄せては返す波に足を浸した
浜辺には
天使がいた
イノセントな黒曜石の目
体が透き通っていた
あまりに可愛くて
見惚れていた
あぶくの上にそっとお座りしてる
気づくと波にさらわれ
消えていったあの子
星の井がある
虚空蔵菩薩さまのお堂
あの階段から眺める海
決まって鼻をかすめる
冷たい匂い
あの天使は
荒波を超えて
殻を手にできたのか
もうすぐ虚空の明星が
呼び声を届ける
メガロパの午前3時
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