おばあちゃん
貴女は雑草にも水を与えていた
なんであげるの?抜かないの?
幼い私はわからなかった
「こんなに頑張って
にょこにょこ伸びて
偉いじゃないか」
そう言ってジョウロで水をやった
彼女は名も知らぬ草を愛でた
花はすぐ枯れる
でも厄介者の根っこは強い
ここにいるんだぞ
彼女は厚い手のひらで
その仏性を撫でていた
おばあちゃんは早朝に
仏壇へご飯を供える
チリーン
青い世界に漂う
お線香の匂い
土手にはサギソウが白く点在する
手を合わせ
つぶやく言葉
阿弥陀さま
届いていましたか
もう祈りの家は取り壊され
サギソウも雑草もない
モダンな家が建っている
耳を澄ませば
おりんの音がこだます
私の胸に今も届く
名も無きひかり
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