タグ: 夕日メンテナンス

  • 竜の懐

      まめがらを炒って供える習いが染みついていた 混じり気のない美しさは 安らかに国を治めた先王の忠に似ている いつだったか 互いにはさんだ碁盤のように…

  • 悠久の愛

      少しずつ修繕してゆく過程を 粗末な草葺きの家から眺める 目玉のかたちをしているもの それが意味していることを 皓月のもとにさらしてみる 高潔な風采…

  • プネウマ

      神さまの下書きをつくる その工程に語らう言葉は必要だろうか 私を教え育ててくれた貴方は優しくて 責め詰るようなことは一度もなかった 愚かな私を問い…

  • 沢に笑う影

      あっという間に目が眩んだ その沢の境には大きな甑が隠されていたのだ ある兵士が独直していた晩のこと 犬の姿をした影が広く伸びていた その影は生き生…

  • 永劫の供杯

      干上がった湖面を歩く渡り鳥は 腫れあがって久しい修羅のつま先にキスをする 酒宴もたけなわだ 君が作った粉餅を頂くとしよう 蘭の香りに満ちた部屋で一…

  • やさしい刑

      しびれはまだ取れない 飛べない鳥が砂漠を速く走るには贈り物が必要だ 首かせをした囚人たちは何を望むか 蹴鞠遊びをする場所が欲しいか 雅な都へ続く道…

  • 音の記憶

    溢れ出す涙を袖で隠したよ 懐かしかったから 私の苦労を慰めてくれていたんだね 貴兄の優しさは欲深な私にはむごいほどだ みすぼらしい境遇でさえも貴兄は愛…

  • 王の務め

      若い鹿の王が財を貯めた蔵に籠り 隠者の真似事をしている それではいつになっても心がふさいで 王の役目が果たせない 白い髭を黒く染めることに何の躊躇…

  • 掴めぬもの

      愛した魚も捕まえてしまえばあとは食べるのみですか? 魚の尊厳を誰が気に留めましょうか? おぼろな月が水面に浮いているのを見て 捕まえようとする愚か…

  • 大いなる亀

      天を支える大海亀の足は 鼎のように安定していて とても豊かな土壌をつくる 踏みしめ耕し 何億もの人を養わせる 底知れない器を有している この大海亀…