音の記憶

溢れ出す涙を袖で隠したよ

懐かしかったから

私の苦労を慰めてくれていたんだね

貴兄の優しさは欲深な私にはむごいほどだ

みすぼらしい境遇でさえも貴兄は愛してくれた

貴兄を彩る細々とした飾りは煩わしいほどで

そのまま凍りついた貴兄の愛の質量を感じていたくて

私は立派な言葉で大事に厳重にしまっておいた

私の綾衣を安らかに撫でてくださった

あのほとりを思い出します

貴兄の笛の音は疑いの心で聴けば虚ろな墓石へと

のびのびとした心で聴けば神仙の世界へと変化する愉しみがあり

私は密かに貴兄の奏でる姿を盗み見ておりました

神仏すら照臨する貴兄の音色の冴え

汚し辱める輩がいるなどもっての他です

あの江楼でお待ち下さいませ

 

 

 

 

 

 

夕日メンテナンス

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月と詩人 Author はじめまして。 夕日メンテナンスと申します。 これまではXなどで詩を投稿していました。 どうぞよろしくお願いします。

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