午睡の神話

午睡の直前の幻視

 

冥府の桃が地に落ちる

その寸前で受けとめた手

穢れた身体

 

イザナギの禊が始まる

 

月の神の右目が映す

収穫する人々を

 

愚者が手を伸ばす

知ったかぶりの果実

空虚で萎びた手触り

だが甘く蒙昧で

何度も欲しくなる

 

賢者が手を離す

知恵というまやかしの果実

いつまで食べても満たされぬ

老いた灯台守はしずかに狂う

 

祓えぬ業を抱えた人々

 

太陽神の左目の景色をのぞく

そこには小さな仏間があった

 

少女がそっと回す

万華鏡のビーズが描く宇宙

誰にも解けない遊戯

 

少年が手を合わせる

互いが互いを供養する

星座のようにつなぐ点と点

 

無垢な者だけが手にする風を

私たちは見逃し続ける

 

地球の引力に引っ張られる

私も人の業という

重力の石碑を運ぶ

 

愚者でもなく

賢者でもなく

神の庭に遊ぶ子供でありたい

 

 

 

 

 

 

夕日メンテナンス

夕日メンテナンス

月と詩人 Author はじめまして。 夕日メンテナンスと申します。 これまではXなどで詩を投稿していました。 どうぞよろしくお願いします。

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