水滴とあわい

服を脱いで

シャワーを浴びる

たったそれだけなのに

恐ろしかった

 

飼い慣らされたはずの裸体

急に知らない肉塊へ変容する

 

時代劇の打首のシーン

目を瞑って首を差し出す

頭を洗う

その動作

 

瞼の裏で

白髪の老婆が

鬼の形相で迫る

 

だるまさんがころんだ

 

後ろの正面だあれ

 

風呂場には魔物がいる

 

きっと気づいちゃいけない

正気と狂気のはざま

そのあわいを

レモンの香りのソープで

滑らせていく

 

今日もおっかなびっくり

浴槽に入る

 

肌を叩く

無数のぬるい水滴

どうか

私を暴かないで

 

 

 

 

 

 

夕日メンテナンス

夕日メンテナンス

月と詩人 Author はじめまして。 夕日メンテナンスと申します。 これまではXなどで詩を投稿していました。 どうぞよろしくお願いします。

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