ぽっかりと穴があいている
その穴に指を差し込む
コールタールのように黒く粘ついたもの
それを舐めとってみる
甘いのに熱いような
苦いのに酔ってしまうような
貴方の傷痕を一つ一つ撫でるように
指先で優しく塗りつぶしてゆく
互いの幸せを祈りながら
本当は不幸を祈っていたのか
この先何度でも
寂しい思いをさせたくない
このぽっかりとあいた穴のように
貴方を誘い込む罠があったとしても
その度に私は指を突っ込んで
ぐりぐりと闇を掻き回す
光も届かない世界
そのすべてを呑み込んでみせよう
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