言葉がなければ
人格がなければ
明日がなければ…
夏草がそよいでいる
月光を浴びて
真夜中の時計が鳴る
12時にはシンデレラが帰る時間
彼女は地獄に帰らなきゃならない
王子さまという救済を待つまで
私の地獄は
時計が鳴ることもない
しじまの底にある
王子さまは来ない
人間であることが
こんなに冷たく
足先を撫でてゆく
妖怪であれば良かったか
妖怪おぶさりてえ
おぶってあげるよ
小判は要らないから
私も妖怪にして
一緒に遊ぼう?
かつて紅い蝶の浴衣を着て
盆踊りに行った幼い私
尊い命という歌を唄った
本当の尊さは
風の中にある
童が握りしめるわらしべのように
風に吹かれて
揺らいでいたい
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