服を脱いで
シャワーを浴びる
たったそれだけなのに
恐ろしかった
飼い慣らされたはずの裸体
急に知らない肉塊へ変容する
時代劇の打首のシーン
目を瞑って首を差し出す
頭を洗う
その動作
瞼の裏で
白髪の老婆が
鬼の形相で迫る
だるまさんがころんだ
後ろの正面だあれ
風呂場には魔物がいる
きっと気づいちゃいけない
正気と狂気のはざま
そのあわいを
レモンの香りのソープで
滑らせていく
今日もおっかなびっくり
浴槽に入る
肌を叩く
無数のぬるい水滴
どうか
私を暴かないで
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