月: 2026年8月

  • 横斜

    景色を傾かせる 受け身の取り方である 眼球ではなく もっと奥のようだ 視神経の経路を 干渉しているらしい 今は眼球だけが機能している もう受け身の取り…

  • 幾千夜テセウスの舟残る染み 分かちがたくわたし いまだ君を知れず ともよ            

  • なにもしないより

    なにもしないより 少しでもいいから 距離を近づきたい なにもしないより 少しでもいいから 貴方の事知りたい なにもしないより 少しでもいいから 別れ時…

  • あれから

    夏の光がやさしくて 海がキラキラしてたから ほんとは 待ってたんだ あれから 蝉しぐれが止んだまま なんども夏に洗われて もう遠くなったね あれから …

  • 〈ミトラ〉

    私は彼に夢の中であった経験がある。 彼は赤い軍服を着た、老齢の白髪の背の高い剣士だった。 彼の剣は鞘に収められており、鞘は腰に履いていた。 彼は言った…

  • 耳を澄ませば

    耳を澄ませば 草叢から 緑の木々の中から 虫たちの声 小鳥たちの声 その梢の先 空の中 白く輝く鳥の翼 遥か上空 ジェット機が行く そして 人の声 車…

  • 「ぶるーりばー」

    いらっしゃいませ。 血液のトンネル抜けて ジャズ流れるホール 煌びやかなシャンデリア 脳内崩壊 動物たちの演奏会から始まり さて、これから忘れる作業 …

  • 存在の慣性

    思考にはキミが帰る からだには静寂が帰る            

  • 孤独

    俺は自分の心の中には孤独が無いのかと思っていた。 昔から、イジメられ体質だったし、一人でいたほうが楽だったから。 ただ、高校時代から、人の方に目が行く…

  • With the Moon

    月の光で満ちる部屋に 眩さの中 微睡んだ   月の見える川沿い歩き 白い藤棚は揺れていた   月の見えるアパートで 夏の湿気と涼んでいる       …

  • ひとりの浸食

    時間を、無為にするまいと 寝ながらに眺める液晶と ただ流れ過ぎる音の なんと、無為な事だろう。 特段、迷ってるわけではないという。 だのにその手はなに…

  • 不可触

    虫の声聞こえないほとに私は世界であった 虫の声聴こえたときに私が私であった